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asiatabi.com FESTIVAL ASIA TV&FILM on JOURNEY

今野 勉(こんの つとむ)
日本・放送人の会 代表幹事
今野 勉(こんの つとむ)

 日本国内を巡る旅番組のシリーズが、日本のテレビで最初に放送されたのは1970年でした。その番組のタイトルは「遠くへ行きたい」でした。
経済の高度成長に伴って、人々の生活に余裕ができ、交通手段も発達して、人々は、自分の住んでいる所から遠く離れた、知らない町や村に
行ってみたいという欲求を容易に満たすことができるようになっていました。
「遠くへ行きたい」は、そうした社会状況を背景にして生まれた旅番組でした。見知らぬ土地ではじめて見る風景やそこで暮らす人々の生活や文化や伝統を見聞することは、旅する人にとって大きな驚きであり楽しみでした。「遠くへ行きたい」は、テレビを通じて、それを人々に伝えました。人々は、テレビを通して旅人の驚きや楽しみを共有しました。
そして、自分の住んでいる所と同じように、見知らぬ土地の風景や文化や伝統もまた日本であることを「発見」したのでした。すなわち「日本発見」です。実は1970年に「遠くへ行きたい」の放送第一回をディレクターとして制作したのは私です。以来41年、今、日本には数多くの旅番組が生まれています。近年、経済成長著しいアジアでも、多くの旅番組が放送されています。
「アジア旅番組国際グランプリ」は、それぞれの国の旅番組の交流を通して、「アジア発見」をあらためて目指そうというものです。
発見は理解を生みます。理解は交流を生みます。交流は新たな創造を生みます。アジアの国々の旅番組の交流によって、私たちアジアの中の異なる文化の発見や相互理解を進めていこうではありませんか。

中国・CCTV 中国TV芸術家協会王占海
中国・CCTV 中国TV芸術家協会
王占海

 北海道は美しい観光地です。四季の変化により想像を超えるほどの美しい自然の風景や、日本文化に根差した美味しい料理は、人を魅了します。
近年、北海道は中国の映画『非誠勿擾 (狙った恋の落とし方。)』の撮影地として、中国人に広く知られるところとなりました。
 北海道にあこがれてやってくる中国人は明らかに増えました。統計によると、2010年に北海道旅行に訪れた中国人観光客は22万人に上るといいます。北海道の旅行業界とテレビ文化が結びつき、北海道の知名度を上げ、北海道経済の発展を推進したことは、旅行文化発展の典型例となりました。
 よって、北海道で開催されるアジア旅番組国際グランプリは、「映像が観光資源の開拓や開発につながる」という目的のために、アジアの国や地域の旅行テレビ番組の交流・共同制作のプラットフォームを固め、旅行業界とテレビ文化のコラボレーションを促進する、非常に有意義なイベントと言えます。
 アジア旅番組国際グランプリが毎年、定期的に開催されることを心から願っています。この活動は、アジア各国の文化の発展、旅行業界の発展、各国の人的交流のために、大きな効果をもたらすものです。アジア旅番組国際グランプリの成功を心より祈念します。

TVM / CEO Le Thi Phuong Thuy
TVM / CEO
Le Thi Phuong Thuy

 21世紀を迎える頃から、ここベトナムでは「新たな時代」に突入しようとしているのが感じられます。
 以前はベトナムといえば「ベトナム戦争」というのが我が国のイメージでしたが、多くの企業が新たな市場を目指し、多くの観光客は手つかずの観光スポットを求め、多くのテレビ局は未発掘の文化を紹介するためにベトナムを訪れるようになりました。
 当然、こうした海外からの訪問者たちによって、人々の関心は一挙に外に向け開かれました。「外国へ行ってみたい、外国の文化をもっと知りたい」こうした当然の好奇心はまずテレビに向けられ、テレビはそれに応えるべく、驚くべき数の海外のコンテンツが地上波でそしてケーブルテレビで連日放送されています。
 しかし、「外国もいいけれど、これほど注目を浴びている我々の国にももっと未開の魅力があるはず」そう思います。それをどうやって自国だけでなく世界に紹介していけるか、そうしたことを、国境を越えたアジアのテレビ局の方々と意見交換できる機会に巡り会えたことを嬉しく思います。
 そして、こうした場を積極的に作ってくださった主催者の方々には心からお礼申し上げます。これを機会に、国境を越え、分野を超え、新たなメディアの活用方法が見いだせることを切に願っています。